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Oracle TimesTen In-Memory Databaseアーキテクチャ概要
リリース6.0
B25763-01
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TimesTen Data Manager

図3.4に示すように、TimesTen Data Managerは、TimesTenプロセスとライブラリのすべてを記述し、データ・ストアに対してアプリケーションから発行される、ODBCおよびJDBC関数コールと、SQL文の処理を行います。

図3.4 TimesTen Data Manager

Data Managerの中核には、SQL、ロギング、チェックポイント、ロック、障害のリカバリなどを実装した、標準ODBCルーチンとコアTimesTenルーチンのライブラリである、ODBCダイレクト・ドライバが存在します。「ダイレクト・ドライバ接続」で説明するように、ODBCアプリケーションがダイレクト・ドライバを介して直接データ・ストアと通信することで、パフォーマンスを大幅に向上させることができます。

TimesTenプロセス

TimesTen Data Managerには、ODBCダイレクト・ドライバにアクセスして、特定のTimesTenサービスを提供するプロセスがいくつか含まれます。

TimesTenプロセスには、次のものがあります。

TimesTenデーモン

各TimesTenのインストールには、1つのTimesTenデーモンが存在します。TimesTenデーモンとは、マシンの起動時に自動的に起動される、単一のマルチスレッド・プロセスのことです。通信と障害検出を実装するために、アプリケーションがTimesTenに接続するたびに1つのスレッドが作成されます。

アプリケーションやサーバー・プロセスでTimesTenデータ・ストアへの接続を確立するには、まずODBCまたはJDBCドライバに接続して、そのマシンで稼働中のTimesTenデーモンとTCPソケット接続を確立します。

このソケットは2つの目的で使用されます。

注意: TimesTenデーモンはデータ・ストアへのアプリケーションの接続のみを管理します。問合せの処理では役割を果たしません。

TimesTenサブデーモン

TimesTenデーモンは、個々のデータ・ストアに直接アクセスしません。そのかわりにTimesTenデーモンは、共有データ・ストアごとに個別のサブデーモンを割り当て、複数のアプリケーションによるデータ・ストアへのアクセスを調整します。データ・ストアに排他接続しているアプリケーションでは、サブデーモンを介入させることなく、データ・ストアを直接管理します。

システムが起動すると、TimesTenデーモンは事前定義されている構成可能な数のサブデーモンを起動します。データ・ストアがメモリーにロードされると、TimesTenデーモンは空いているサブデーモンの1つを割り当てて、そのデータ・ストアを管理します。

共有データ・ストアを管理するために割り当てられたサブデーモンは、次のような様々な処理を行います。

TimesTen Serverデーモンとサーバー子プロセス

TimesTen Serverデーモンは、リモート・クライアント・アプリケーションからの着信接続要求を管理します。その動作はローカル・アプリケーションに対するデーモンとほとんど同様ですが、サーバー子プロセスを割り当て、クライアントのかわりにデータ・ストアへのアクセスのみを行います。

詳細は、「クライアント/サーバー接続」を参照してください。

キャッシュ・エージェント

Cache Connectが有効な場合、キャッシュ・エージェント・プロセスを使用して、自動的にOracleデータベースからTimesTenデータ・ストアに更新を伝播し、使用しないデータをTimesTenキャッシュからエージ・アウトします。

詳細は、「Cache Connect to Oracle」を参照してください。

レプリケーション・エージェント

TimesTenデータ・ストアがレプリケーション用に構成されている場合、レプリケーション・エージェントを使用して、レプリケートされるデータ・ストア間で更新をコピーします。アプリケーションがマスター・データ・ストアを更新すると、レプリケーション・エージェントがその更新を検出し、サブスクライバ・データ・ストア上の別のレプリケーション・エージェントに更新を転送します。レプリケーション・スキームに構成されたデータ・ストアごとに、1つのレプリケーション・エージェントが存在します。

詳細は、「レプリケーション」を参照してください。